【Column】美容やストレス解消にも。ランニングのうれしい効果

ダイエットのために走っているというひとの姿はよく目にする。さらに、走ることは肌の健康に大きな効果があり、ストレス軽減にもつながるという利点がある。そのメカニズムと方法を解説していく。


ダイエットのための、効果的なランニング時間を知る


走ることで脂肪が燃焼するということはすでに周知の事実になっているが、そのほかにも、新陳代謝が高まるという効果がある。つまり、習慣的にランニングを続ければ代謝がよくなり、脂肪がつきにくい体質になっていくのだ。では、健康的にスラリとした体型になるためには、どのように走ればいいのだろうか。

脂肪が燃焼し始めるのは、走り始めて20分を過ぎたあたりから、と言われている。それよりも短い時間で走り終えてしまうと、まだ脂肪の燃焼が始まっていないので、効果が薄れてしまう。つまり大切なのは、無理のないゆっくりとしたペースでいいので、20分以上走り続けること。可能であれば30分ほど走り続けると、より効果を得ることができる。


朝と夜、どちらに走るのがいい?


朝と夜とで、効果に違いはあるのだろうか。まず、朝走ることのメリットとデメリットを考えてみよう。

朝は、脂肪を燃焼させる効率が夜よりも高くなるとされている。しかも走りを終えたあとの数時間も、代謝はあがったままの状態をキープできるというところもうれしいポイントだ。一方で、朝起きたばかりの時間帯は体が目覚めきっていないこともあり、ケガをしやすい状態であるといえる。そのため、いつも以上に入念な準備運動を行い、しっかりと体を目覚めさせてから走ることが大切。また、起きたばかりだと体の水分が不足しがち。十分に水分を摂ることも忘れずにしたい。


それでは、夜のランニングはどうだろう。大きなメリットといえるのは、陽射しを避けられるという点だ。太陽のもと走っているとどうしても紫外線を浴びることになり、日焼けが心配というひとも多いはず。夜のランニングでは、そういった心配をしなくていいという利点がある。

また、1日の活動を終えたあとのランニングなら、その日の締めくくりとしてゆったりとした気分で走ることができ、ストレスの解消にもつながる。適度な運動が体によい刺激となることに加え、走ることで無心になったり、すっきりとした気持ちを味わうことができるのだ。1日を振り返りながら走ったことで、前向きな気持ちになれるというひとも多い。

一方で、夜は朝よりも脂肪燃焼効果が低いということを知っておきたい。また、寝る直前にハードな運動をすると、寝つきが悪くなるという点も。何よりも、暗い夜道を走ることは危険がともなう。リフレクター素材が使われたウェアやアイテムを身につけるなど工夫をし、自動車や自転車にはくれぐれも注意したい。


ランニングには美肌効果も?


ランニングは、健康的な美しい体を作るためであったり、あるいは心肺機能を高めることによる健康維持への取り組み、さらにはストレスの解消、といったさまざまな理由から行われる。しかし、意外と知られていないのが、美肌効果だ。

ランニングは有酸素運動。先にも少し触れたが、有酸素運動によって新陳代謝が高まっていくことになる。新陳代謝とは、ランニングのような全身運動を行うことによって血流がよくなり、体のすみずみの細胞分裂が活発になっていくということ。つまり、走ることで新陳代謝が上がれば、肌の細胞も新しいものへと活発に生まれ変わるようになり、その結果、美しい肌へとつながっていくことになる。


具体的な例としては、肌のたるみを防ぐことができるということ。というのも、肌のたるみは新陳代謝が低下することから起きる。そのため代謝をあげることができれば、自然とアンチエイジング効果が図れるのだ。

さらに、ニキビなどの吹き出物対策にもなる。そもそもニキビなどの吹き出物は、毛穴に汚れが詰まっていることなどから、生じやすくなるもの。ランニングで汗をかくことで、毛穴の詰まりなどが解消され、吹き出物ができにくくなるというわけだ。


日頃走っているひとのなかには、「ランニングは肌によくない」と思っているひとも少なくない。これは、日中の紫外線などに対する心配からくる言葉だ。しかし、ランニング自体には今回紹介したように、美しい肌を保つといった目的にも大きな効果があるのだ。日中なら日焼け止めや帽子で対策をし、長袖のウェアを着るなど、しっかりと対策をすれば、ダメージを最小限に抑えることができる。また、夜に走ればこのような心配はほどんどしなくても問題ない。


健康的な体づくりにはもちろんのこと、美しい肌を保ち、ストレス解消にも効果があるランニング。ぜひみなさんも走ることで、心も体も美しく健康な状態をキープしていってほしい。


Illustration: Fujii Tomoko

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