本企画、「現役ドラマーが探るBPMとランニング」では、BPM別にプレイリストを作成し、実際に聴きながら走ることで「BPMとランニング」の関連性を探ってきました。
前編では、プレイリストを作成した『sawagi』のドラマー、nicoさんによる検証レポートを紹介。ドラマーとランナー、それぞれの視点から見た「BPMとランニング」への見解を伺いました。
後編では、また異なる視点からの意見を探るべく、nicoさんが率いるランニングコミュニティ『RUM RUN CLUB』のメンバーに協力していただき、実際に好きなBPMのプレイリストを選んで走っていただきました。
それでは、協力してくれたメンバーの感想をご紹介します。
【BPM100】 牧野 莉佳 / 女優
-BPM100のプレイリストを選んだ理由を教えてください
ゆっくりめに走りたいなと思って選びました。
-普段音楽を聴きながら走っていますか?
はい。普段はアップテンポの曲を聴いて走ることが多いです。
-BPMのリズムで走りやすさは変わりましたか?
何も聞かずに走るよりも音楽を聴きながら走った方が走るテンポも作れて走りやすかったです。
-nicoさんが作成したプレイリストで走った感想を教えてください
アップテンポの曲やゆったりめの曲、はじめて聴いた音楽なんか発見しながら楽しく走れました!
【BPM120】 四本 晶 / インストゥルメンタルバンド『Rega』のギタリスト
-BPM120のプレイリストを選んだ理由を教えてください
このテンポの軽快さと緩さが、自分の走るスピードに一番合っていると思ったので選びました。
-普段は音楽を聴きながら走っていますか?
常に音楽を聞いて走っています。
大体BPM120くらいの4つ打ちのエレクトロニカ。ドラマチックな曲だと走るペースが変わってしまいそうなので、曲展開があまりなく、常に同じ情景が見える音楽を選んでいます。
たまにAORやサーフミュージックなどの緩めの音楽に変えて、走るスピードを落とし、コンディションの調整をしたりしています。
一定の速度で気持ちよく走りたいので、テンポの速い音楽はあまり聞かないようにしています。
-BPMのリズムで走りやすさは変わりましたか?
緩すぎず速すぎずのテンポなので、走り始めのまだ身体が温まっていない状態のウォーミングアップという点では、それにものすごく適したテンポだと思います。
中盤、身体がよく動き始めた頃、ようやく音楽と走る速度が合ってきたところの気持ちの良さも、このテンポが一番適していると思います。
後半少しバテてきたくらいのところで、BPMは変えずに曲調を変える。この事で気持ちの盛り上がりを自然に促す事が出来ました。
一貫して、リラックスして楽しんで走るという事が目標ならば、とても走りやすいテンポなんだと思いました。
-nicoさんが作成したプレイリストで走った感想を教えてください
BPM120という縛りの中でも、曲調の異なるプレイリストになっていたので、音楽にも走ることにも飽きる事なく、終始楽しむ事が出来ました。また、一貫して体感性が強いプレイリストだったので、一定の速度で走る中、程よい興奮も促してくれ、走る楽しさを倍増させてくれました。シェリルクロウで気持ち良さがMAX。最高でしたが、後半ダフトパンクを持って来たあたり、リーダーの「お前まだまだ走れるやろ」くらいのメッセージが聞こえた気がしました。アメとムチですね。リーダーらしいプレイリストだと思いました。
【BPM 160】 石野 千尋 / フォトグラファー
-BPM160のプレイリストを選んだ理由を教えてください
走るリズムに合わせて、軽快に足が運べそうだったので選んでみました。
-普段音楽を聴きながら走っていますか?
一人で走るときは、たまに音楽を聞きながら走ります。
あまり何も考えず、自分のスマホの中に入っている曲をシャッフルでかけたり、考え事をしたり無心になりたいランの時は、インスト(インストゥルメンタル)を聞いています。
-BPMのリズムで走りやすさは変わりましたか?
YES!
いつもより速いスピードで走ることが出来ました。
途中でつらくなっても、音楽のリズムに合わせてペースを調節したり、
リズムを意識して走ることを心がけてみました。
気がついたらどんどん足がすすんでいて、自分では走ったことのない速さで走ることが出来ました!
音楽のことを考えていたらあっという間に距離が伸びていたり
この曲が終わったら終わりにしようかな、なんて事を考えたりしながら聞きました。
-nicoさんが作成したプレイリストで走った感想を教えてください
長い距離を走る時は、つらい時間に元気な曲がかかったらパワーになると思います。一人だともう心折れそうな時も、音楽がそばで一緒に走ってくれる気がして。すごい力になるんだなぁと実感しました。
そして、自分で選んだ曲ではなく、nicoちゃんが考えて選曲してくれたというのもポイントで。
どういう考えや気持ちでこの曲にしたのかな?とか、そういったひとの優しさみたいなのも感じながら聴けるのが他人のプレイリストを聴く楽しみだなとも感じました。
走りながらそんな事を思っていたら、いつもよりもあっという間に目標距離達成できました!
以上、3名のメンバーからの感想をご紹介しました!
ご協力いただいた『RUM RUN CLUB』のメンバーのみなさん、ありがとうございました!
検証した結果、「プレイリストの選曲で気分があがった」、「BPMのリズムでペースを掴んだ」、「一定のBPMのなかに、リーダーらしいメッセージが込められていた」など、その内容はみなさん様々ですが、BPM別のプレイリストに対する興味深い感想をいただくことができました。
現役ドラマーならではの鋭い見解に触れながら、ランニングとの関わりについて探ってきたこの企画。
同じBPMで構成されたプレイリストでも、ビートの種類や曲調によって早さの感じ方は全く異なるということがわかりました。
「リズムだけをはかるのであれば、メトロノームを聴きながら走るのがいい(nicoさん)」のですが、実際に走ってみた感想を聞いてみると、音楽に励まされてペースを保つことができたり、ひとのプレイリストを聴いて走ることで新たな発見があったりなど、リズム以上に音楽が与える影響は多大である、ということも大きな発見でした。
「BPMとランニング」の関連性を探る中で、“音楽でペーサーの役割を担う”という新しい観点からつくられたBPM別の3つのプレイリスト。
多くの楽曲のなかから、根気強く一定のBPMのみを集め、それぞれに納めた渾身のプレイリストを聴きながら、各所に込められたnicoさんのメッセージを感じてみてください。きっとなにか新しい発見があることでしょう。
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