音楽とランニングで話題にあがる「BPMとランニング」の関連性を探るために挑んだこの企画。ここまで、『sawagi』のドラマーnicoさんに作っていただいた3つのBPMのプレイリストを紹介してきました。
今回、nicoさんがリーダーを務めるランニングコミュニティ『RUM RUN CLUB』の活動にて、実際にプレイリストを聴きながら走りごこちを検証する、と聞きつけ潜入!
BPMプレイリストの制作ストーリーや、検証してみた結果を伺ってみました。
ーBPM別のプレイリストを作る際に気をつけたことはありますか?
今回この3種類のプレイリストを作成するにあたって1番気を配ったのが、最初に決めたテンポをなるべく誤差なく一定に保ち続けると言うことです!
今回の企画では音楽を聴く事を、ペーサーの方と一緒に走るということと似た捉え方にしてみました。
ー音楽自体がペーサーの役割を果たすように考えたわけですね
そうですね。世の中には『ランニングに合うBPM~のプレイリスト』みたいなのが沢山ありますけど、色々と聴いてみるとそのほとんどがBPMにして10くらい(160の場合、156~166程度)の開きのあるものなんです!
好きな曲をなるべく入れたいし作り手としてはそりゃそうなるんですよ。
でもこれではリズムに合わせて実際走ったら早くなったり遅くなったり、ペースは作りづらいし音楽に合わせて走る意味がないと考えました。
ー実際はBPMに幅があるプレイリストが多いのですね
音楽を聴きながら楽しく走るのが目的ならこれも全くの正解なんですけどね!
でも今回そこにこだわって作ってみた結果、、曲選びがすーんごい大変でした!テンポが少しでもズレてるものは選べないですから。
それとはまた別にテンポの「感じ方」の話なのですが、例えばBPM160の曲というのは厳密には違うのですが実際BPM80の曲と同じリズムの感じ方が出来る曲なんです。40の曲も320の曲も倍数なら同じリズムの捉え方が出来てしまうんです。
実際BPM160を題材としたプレイリストの中には80の曲も沢山入っているものが多いです。
それが悪いとかでは無いのですが、今回それも排除して作成してみたくなりました!
ー忠実にBPMを合わせるとなると、曲選びにかなりの労力がかかりそうですね
そうなんです。かなりの時間をかけてこの3つのBPMのプレイリストを作ってそれに合わせて僕が走り、得た結論から言いますと、、、
『みんな自分の好きな曲聴きゃい~やん。』
です。笑
—結果、原点に帰る。ということなのでしょうか
これにも僕なりの理由がありまして、まずプレイリスト説明の中でもお話したのですが、結局同じBPMの曲でもビートの種類や曲調によって早さの感じ方は全然違うんです。
それぞれの曲に合わせて走ろうとすると同じテンポでも一定のリズムで走れない事が多いですし、音楽も基本人間が演奏しているものがまだ多い時代ですから多少突っ込んだり遅れたりしてるのが楽曲としてかっこ良かったりするんですね。
有名なところで言うとブラックミュージックでよく聞くレイドバック奏法等がそれです。
だからちゃんとリズムを一定に保って走り続けたいだけならメトロノームアプリのダウンロードをお勧めします!
—確かに、リズムという面からいうと一番確実な方法ではありますよね
これは極端な意見ですが、ただリズム、刻まれるビートに合わせて一定に脚を運ぶという面だけで考えると、とても効果的ですよ!気分は全く上がりませんけど。笑
—ランニングにはメトロノームが有効ということでしょうか
リズムという側面だけ見ればこの『メトロノーム走法』もオススメかもしれません。
でもやはり音楽には一定のテンポを刻み続ける事以外の素晴らしい要素が存分に含まれているので、自分のその時の気持ちに合ったものを聴きながら走るのが1番のオススメだと思いました。
ーリズムでも音楽でも、その時のランニングで優先したいものを聞くのがいいということですね
はい。ただ、今回僕が作った3種類のプレイリストはBPMというモノにかなりこだわりましたので、そのメトロノーム走法に近いことをするのも可能ですし、同じテンポの曲でもこんなに感じ方が違うんだということに気付いて『自分はこんな曲が走りやすいのか。』と知って頂くのも新しい発見に繋がると思います。
ーBPMに忠実なプレイリストかつ、音楽としても聴く人によって新たな発見が期待できるプレイリストですね
もちろん!単純に自分以外のひとが作ったプレイリストを聴くのは、新しい音楽に触れる良い機会なのでどんどん聴いてみて欲しいですしね。
結論!
『走るときは好きな曲を聴いて、周りに気をつけて』
以上です!
ーnicoさん、ありがとうございました!
繊細なリズム感覚を持つドラマーとして、実際の走り心地を意識したランナーとして、双方の視点から見て導き出された「BPMとランニング」に対するnicoさんの見解は、一定のBPMのプレイリストでも、バラバラのものでも、メトロノームのアプリでも、「走る時の気分に合わせて好きなものを選ぶのが一番」ということでした!
ただ、忠実にBPMを守って作られたプレイリストはまだ世の中にあまり多くはないのでは?ということでしたので、みなさんもnicoさんのプレイリストを聴きながら「BPMとランニング」の関連性を検証してみてはいかがでしょうか。
きっと新たな発見があるはずです!
後編ではnicoさんが率いる『RUM RUN CLUB』のメンバーのなかから、実際にBPM別にプレイリストを試してくれた方々の感想をご紹介していきます。
どうぞお楽しみに!
nico
インストゥルメンタルバンド『Sawagi』のDrum。
言葉の壁のない「音」を武器に日本のみならず世界を股にかけ活躍中。2016年8月からは2度目のアフリカツアーを敢行。
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