シューズを履いて走り出せば、耳もとであふれるお気に入りのメロディ。足音に刻まれるアップテンポなリズムが、彼女を音楽の世界へと連れ出した。一つひとつの音が、言葉が、研ぎ澄まされた五感を伝って、深く深くしみわたる。
耳から入る“心の安定剤”
——高山さんといえばロックミュージックを愛する方、という印象があります。走るときに聴く音楽は、普段とはまた違いますか？
ランで聴く音楽は、自分のモチベーションを上げてくれるもの、という基準がまずありますね。私の場合、好きな曲を好きなだけ入れたランニング用のプレイリストを作っていて、それにすごく頼っています。いま100曲入っているけど、走るたびにそれをシャッフルオンにして聴いていてこれがもう、全然飽きない。しかも全部が好きな曲だから、かかるたびに「あっ きた！」って楽しみがずっと続くんです。
——100曲！ そのプレイリストは大会出場のときにも聴いていますか？
大会の時も聴いています！ 自分のリズムを取る、じゃないですけど……“普段どおり”を実行するために、日々のランと同じプレイリストを聴きながら大会に臨むことで緊張もしないし、ペースも乱れない。他のひとが速くても“自分はこのペース”っていうのを守れるから安心にもつながるし。100曲だと10時間とかもつので、フルマラソンでも曲がかぶらない（笑）。しんどくなってきたとき、それこそ後半35kmとかのつらいときにテンションのアガる曲が流れたら「うん、がんばる！！ありがとう！！」ってすごいモチベーションになる。でも、大会では声援や、応援してくれるひととの会話を大事にしたいこともあって、イヤホンの片耳を外していることも。“心の安定剤”は片耳から入れて、もう片側で「ありがとうございます」って（笑）。声援がなくなったところではまた両耳に付けて。
——走るとき以外にこのプレイリストを聴くことは？ また、音楽を聴かずに走ることはありますか？
いや、やっぱり走るときが多いかなあ……。仕事のオーディション前とかは聴いているかも。もうこれって、自分の心の安定剤なので。むしろこのプレイリストに入った曲たちがなかったら走れません、というようなものです。音楽を聴かないで走ることは、ほとんどないですね（笑）。仲間と一緒に走るときは会話があるから聴かないんですけど、一人で走るときはマストです。
——これまでの大会でつらかったときに、もう一度自分をブーストさせてくれた印象的な曲があれば教えてください。
初めての大会が香川丸亀国際ハーフマラソンだったんですけど、最後の坂がちょっとしんどくって。でもそのときに、ストレイテナーの「TODAY」が最後に流れてきて、ぱーーって明るくなるような歌詞がしみてきて。「めっちゃ最高！ しんどいけど最高！！」みたいな気分で（笑）。ああ、何かが見えたという想いがしました。あれは印象的ですね。
——プレイリストに入っている曲も、ロックのイメージが強い高山さんならではという印象です。
やっぱりロックですね！ 日本語のロック、ロックバンドばっかりです。新旧問わず、もう自分だけのベストアルバム状態なんですけど（笑）。The Birthdayの「なぜか今日は」とか「ROKA」は大好きだし。くるりの「ワールズエンドスーパーノヴァ」、ストレイテナーの「Merodic Storm」ドレスコーズの「ゴッホ」、斉藤和義さんの「月光」とか、ドラゴンアッシュの「Ambitious」とか……あ、ももクロも入っているし、あとは氣志團、ジュディマリ、忘れらんねえよとか！ もう、走りながら歌いますよね。ちょっと恥ずかしいですけど、結構しんどい時でも歌ってます（笑）。他にも古めの曲とかがあったり……あとは「The Birthdayばっかりやん！」みたいなことになったりとか（笑）。それと[Alexandros]の「RunAway」は疾走感があって、すごくランニングにマッチする。
このプレイリストに入っている曲は“走る”ことを意識して選んでいっただけですけど、なんとなく統一感があって。自然とBPMも似たものになりました。歌詞もすごく前向きなものが多くて……いつも聴いているはずなのに、ランニング中、しかも大会中に聴くと走って頭がクリアになっているからこそ「なんていいことを言うんだ、わかるわかる！」みたいに、めっちゃ助けられたり。自然とポジティブだったり強い言葉のある歌詞を選んでいます。
高山都
モデル・女優。舞台、ドラマ、映画、ラジオなど、幅広い分野にて活躍中。これまで数々のマラソン大会に出場しており、名古屋ウィメンズマラソンを3時間42分で完走した経験をもつ。
高山都オフィシャルブログ「miyakoto」Powered by Ameba：http://ameblo.jp/miyare38/
↓ ↓ 高山さんの作成したプレイリストはこちらから ↓ ↓
0コメント