【Interview】ADIDAS TRAINING ZONE取材 —フィジカルトレーナー 中野ジェームズ修一—

2月に東京タワーで開催された「ADIDAS TRAINING ZONE」。プログラムのなかで、最もハードだといわれる「GYM&RUN」は、走らなくても走れる脚をつくるという画期的なトレーニングです。今回は、「GYM&RUN」で講師を務める中野ジェームズ修一さんに、その魅力と、スポーツと音楽の関わりについてインタビューした模様をご紹介します。

──GYM&RUNとはどのようなトレーニングですか


「GYM&RUN」はいろんな想いが詰まっているトレーニングプログラムです。今まで青山学院大学陸上部含め、さまざまな長距離を走るアスリートたちや一般の方の指導をしてきましたが、彼らが一番多く抱えている悩みというのが「怪我」なんですよね。走力を上げたい、でも怪我も予防したい。走力を上げるにはやはり長い距離を走らなければいけない。走らないで走力を上げることって不可能じゃないですか。でも走る距離が増えれば増えるほど、走る時間が長くなればなるだけ、ずっとそれだけ関節にインパクトを与えていることになるので、障害を起こしやすくなってしまいます。

では、怪我をしないためにはどうしたらいいのかというと、走る距離を減らさなきゃいけない。そうすると今度は走る能力やスピードは下がってしまう。そこで何が必要かというと補強トレーニング。筋肉をしっかりつくって筋肉に持久力をつけてあげる。そういった視点から編み出されたトレーニングが「GYM&RUN」。走っているときと同じだけの負荷をほぼゼロインパクトで筋肉に与えることができる、ということがこのトレーニングの一番の特徴です。約1分で1km分くらいの負荷を下半身の筋肉に与えるように構成しているので、フルマラソンと同じだけの負荷を与えて筋持久力を鍛えようと思ったら、たった約45分のトレーニングでそれが可能になるんです。


──対象者のレベルに合わせたトレーニングメニューはありますか


もちろんです。対象者が高齢の方であれば、高齢の方向けのトレーニングを考えますし、実業団やアスリートなどプロ向けのトレーニングメニューを考えるなど、柔軟に対応できます。


──実際体験者された方からはどのような反応がありましたか


今回「ADIDAS TRAINING ZONE」で行われるプログラムは、ハーフとフル、両方受けることができますが、のフルマラソンのプログラムは、42.195kmを走りきった時とほぼ同じ筋疲労の状態になるので、よく言われるのが「初めてフルマラソンを走った時と同じように脚が上がらなくなった」とか、「次の日の筋肉痛がフルマラソンを走った時と同じ感覚だった」というような声ですね。やはり筋肉の疲労を感じることで、トレーニングの効果を実感される方が多いです。


──中野ジェームズ修一さんが考えるトレーニングとは


トレーニングによって自分のからだを強くすることで、プレッシャーに打ち勝つひとつの術になると考えています。

でも楽なトレーニングではからだは変わらないんですよ。だから「キツいな、やりたくないな」ではなくて、「キツいけど楽しい!」と思えるようなトレーニングを見つければいいんです。

それこそ、今回の「ADIDAS TRAINING ZONE」では全部ハードなトレーニングですが、それぞれ講師が工夫を凝らし、楽しく受けられるようなものばかりです。是非いろんなプログラムがあるので、試してもらって自分にはどんなトレーニングが向いているのか、楽しみながらやれるのかを発見してほしいですね。


──音楽とトレーニングの関わりについてはどうお考えですか


キツいものを楽しくさせてくれるのが音楽なのではないかな、と思います。多分みなさんスポーツするときって、自分が聴きたくない音楽は聴かないと思うんです。その時に自分が聴きたい音楽を聴くことで、楽しい気分になったり、自分の壁を乗り越えるための手段になったりもするんじゃないですかね。

私はよくタイムマネジメントとして音楽を使います。5分走ろうではなく、1曲走ろう、とか3曲走ろう、とか。1曲目はダッシュで、2曲目はゆっくりというように音楽によってトレーニングに緩急をつけたりすることもあります。スポーツをやっていると、どうしても時間や距離というところに視点を置きがちなんですが、音楽をものさしとして使うことで、楽しくトレーニングに励んでもらえる要素になっていると思います。


──中野ジェームズ修一さんはどういったシーンで音楽を聴きますか


走るときは、必ず聴きますね。仕事をしている時も聴かないと仕事が進まない。普段も、シーンとしたところだと仕事ができないものですから、大音量で音楽をかけて仕事をしています。走っている時も、「今日は早く走ろう」と思ったときはBPM150〜160の、テンポの早い曲だけを集めたプレイリストで走るし、今日はゆっくり走ろうというときはゆったりした曲調の音楽を聴きながら走ります。


──最後にこれから「GYM&RUN」に参加してみたいと思っている方たちにメッセージをお願いします。


走ってないからこそ、このトレーニングで脚をつくる。筋持久力をつけることで、走る方が楽に感じると思います。でも、このトレーニングは心肺持久力を鍛えることはできないので、ランニングで心肺持久力を上げつつ、「GYM&RUN」では筋持久力をあげるといった使い分けをしながら、走れるからだづくりをしてもらえたら嬉しいです。


中野ジェームズ修一

アディダス契約 フィジカルトレーナー

フィジカルトレーナー

アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士。

14年から青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当。

(有)スポーツモチベーション最高技術責任者

www.sport-motivation.com

※adidas Training Academy公式ホームページよりプロフィール引用


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